「私は死んでも、
今までは悲しむ者なんて
居ませんでした。

けど今は、
太郎や太郎の家族が悲しみます。
だから死ぬには行かない」

「太郎の家族が悲しむ?
冗談じゃないわ!!
私が死んだら悲しむの!」

麗子さんは血相を変えて、
私にナイフを向けてきた。

私は逃げ切れたが、
麗子さんは歯向かってくる。

この人本気で、
私を殺そうと思っている。

今までの私ではない。

私には帰れる家がある。

だから負けるわけには
いかない。

麗子さんが襲い掛かってきた
ナイフの刃を素手で持った。