看護婦を呼び


それから翼の手をずっと握った




『……葵さん…』


『…はい』


『今、先生を呼んで来るからね』


『あのっ…翼は…』






看護婦さんは


ニコッと笑って言った。







『もぅ大丈夫よ。心配ないわ』


『……っ』







瞬間的に


目頭が熱くなって




笑ってた看護婦さんの顔も


涙で潤んで見えなくなった







もう大丈夫…


良かった、本当に






良かった…







拓実と智君に知らせなきゃ…




『すぐ戻って来るからね?』



そう言って手を離そうとした時



翼が手を握り返してきた






『……翼?』











『…ごめんな…ありがとな…』










消えそうな小さい声で


翼はたしかにそぅ言った。