欠伸をしながら、
校舎へと向かっていると、後ろから元気よく走ってくる音が聞こえた。


『ん?…あ!!』


『ヒカルー!雅ー!』


『…朝からすげぇテンションだな…』



後ろから走ってきて、
俺達の目の前に現れたのは、元気な笑顔を見せるさくらだった。
今日は2つ結びをしていて、髪の毛を結っている向日葵のゴムがとても気持ちよさそうだ。


『おはよ、さくら』


『うるせぇよ、お前!』

ヒカルはこう言ってさくらの頭をぐしゃぐしゃにする。
さくらは必死に抵抗をするが勝ち目はない。
ふとヒカルを見ると、
さくらとじゃれあうヒカルが、とても嬉しそうだった。


好きだからしょうがないもんな。
俺はそんな二人を微笑ましく見守っていた。


早く繋がれよ、お前らの気持ち─…



三人で教室に行き、
たわいもない話に華を咲かせる。
例えば昨日見たテレビの話とか。
大体それで30分は話は尽きないだろう。