そんなこと馬鹿な俺には分からないけど─…


でもね?

俺は美羽と出逢ったことに、誇りを持てるよ─…


…この街に朝が訪れる。鮮やかで、美しい朝が。まだ起きていない部屋の中に光が訪れる。
今日はぐっすりと眠れた。
春の話を聞いたからだろうか?
素敵な夢だった…に違いない。
はっきりとは覚えていないのだが、夢の中の俺は笑っていた。


でもそれはあくまでも夢で、現実の世界は、美羽との距離が遠いということを表している。
昨日、美羽との距離を離したのは俺だ。


『しょうがないよなぁ…』


俺は寝癖のついたボサボサの髪の毛を掻いて、ベッドを下りた。
顔を洗いに行こうと思い、部屋を出ると、ちょうど隣の部屋の美月が学校へ行く格好をして部屋から出てきた。


『あ、朝練?』


ぎこちなく質問をする。なぜかって?
だって恥ずかしいからだ。
昨日美月とあんな話をして。
あの美月が俺の中に名言を残したのだから。