寂しいから人間を求めて、苦しいから人間を求めて。
でもその求めた人間は、本当に自分が求めた相手なのかは曖昧なのだ。
誰だって。

こう美月は言いたかったのかな?


俺に気付かせるために…


『…なんとなく分かるかな?』


『雅、一番の人見つけたんだろ?言わなくても分かる。だって顔に出てるし?』


こう美月は言って、くるりと俺の方に顔を傾けて、にこりと怪しい笑みを浮かべた。
俺は?マークを浮かべると、近くにあった手鏡で自分の顔を写す。

そこに写ったのは、未だにほんのりと頬が赤い、自分がいた。


『うっそ!俺ずっとこれだった!?』


『…帰ってきたときからずっとな』


俺は気が抜けたように、ベッドに倒れ込む。
そして両手で自分の顔を覆い、しばらく硬直したままだった。

美月に知られてしまった…
恥ずかしいことではないのだが…なんか…恥ずかしい。