冷たくしたくないんだ。本当は。
お節介で鬱陶しいがられる程、美羽に近付きたいのだ。
でも心に引っ掛かる、陸の命日。
美羽の誕生日に起こった─…陸の死─…


俺は陸の思い出の詰まったこの公園に憤りを感じる。
なにかに圧迫されそうだ。
無性に息苦しい─…


『…俺帰るわ。じゃあね』


俺はまだ土色の残るカバンを持って、公園をあとにする。
こんな暗い場所に美羽を残して…


だけどやはり心配になった俺は、足を止めてゆっくりと振り返る。
振り返ると、美羽が俺を真っ直ぐに見つめて立っていた。



『美羽…あのさ…』



こんなこと言うつもりはなかったんだ…


まさか自分の口から飛び出すなんて。


『…なに?』


今にも泣きそうなキミを見つめて。



『─…俺、もう美羽とは話さないよ…』



キミとの距離を離したんだ。


理由は…
キミが愛しいから─…