きっとそうなんだろう。陸で溢れているから、
不思議と嬉しくなるのだろう─…
酷い、脱力感。
笑ってしまうくらい、
自分の存在が馬鹿みたいに思えてくる。
『…考えるよ。今日の夕飯のこととか…』
『なによ、それ』
美羽はまたバカにしたように微笑み、俺の隣に座る。
先程春が座っていた場所だ。
『それに…好きな子のこととか…ね』
小さく微笑んで、俺は地面に横たわっていたカバンを取る。
それに土が付着していて、手で綺麗に祓った。
『…好きな子…ね。その気持ちは分かる気がする』
初めて美羽に同意された。
本当はすごく嬉しいのに、なぜだろう?
全くに等しいくらい嬉しくないと思う俺がいた。
『…ところで美羽は何してるの?』
もう夜に近い公園で、
美羽は何をしていたのだろうか?
陸を感じていたのだろうか?
きっとそうに違いないだろう…