キミの生まれた日に─…大好きだった人が死んだ─…


予想もしていなかった理由を聞いて、俺は深く後悔をする。
まさかそんなことがあったなんて…
美羽の心に刻まれた傷は、俺が想像していた傷より、だいぶ深く…そしてなかなか消えないもののようだ。

表情が固まってしまい、なんて言ったらいいか分からないでいた。
この空のように暗くなる。
真っ赤だった頬も今はもう消えていた。


『…う、嘘だろ?』


春にもう一度確認を求めるが、春は俺が願っていた答えとは逆に、首を縦ではなく、横に数回振った。
初めて知った。
陸が死んだ日にちを。

美羽の誕生日だったなんて…


そして美羽に同情をしてしまう。
こんな同情なんて、お節介に等しいけれど…しずにはいられない。

ごめん…
ごめん…ね。


自分の無力さに改めて気付かされた俺の瞳からは、春と同じくらい透明な水滴が流れ落ちた。



俺、陸を超えることは出来ないのかな?