この空の暗さが、余計急に笑い出した春の不気味を演出する。
ごくんと唾を呑み、春を見つめていた。


春は俺を睨みつける。
その瞳からは沢山の涙が溢れていた。


『お前には無理だ。陸を超えることなんて出来ねぇよ』


『まだ分かんねぇだろ?やってみなきゃ分かんねぇだろ?』


『…もうすぐ分かる。美羽の嫌いな季節が来たら、分かるはずだ』



春の言っている意味が理解出来ないでいた。
美羽の嫌いな季節?
どういうことだ?
確かに春より秋の方が好きだという人もいれば、夏より冬の方が好きだという人もいる。

でも今の季節は春。
だがもうすぐで夏がくるという微妙な季節。
意味が、分からない。


春は立ち上がり、公園から出て行きそうなところを、俺が止めた。
肩を両手で掴み、真相を聞こうとする。


『どういうことだよ?意味分からない』


『美羽に聞けばいいだろ?』


こう言って、春は先に進もうとするが、阻止をする。