ヒカルは『当たり前だろ』と言って、にこりと笑う。
屈託のないヒカルの笑顔がいつまでも心の中に残っていた…。


俺はヒカルとは親友だと思っている。
ヒカルもきっと俺のことを親友だと思っているだろう。
でも俺はもう直ぐ知ることとなる。
俺とヒカルの間には、目に見えない絆があるということを。


…昼からの授業は爆睡をしていた。
体を机にへばり付けて、周りのことなど気にせず、家にいるような感覚で寝ていた。
気がついたのは授業の終わる5分前。
寝ぼけたまま、目を擦りながら周りを見ると、みんなの視線は俺に集まっていた。


『へ…?』


するとヒカルが俺の方へ振り向き、笑いをこらえたような顔を見せる。


『いつまで寝てんだよ。先生怒って帰っちゃったぞ?何回も起こされてもお前起きねぇし』


『うそ…』


俺は頭を掻き、まだ眠っている脳を起こそうとするがなかなか起きない。まぁいいや、と思い、再び体を伏せる。
だけどその行動をヒカルが止める。
『もう帰る時間だ』と言って。