待ってろよ、陸。

お前をいつか超えてやるからよ。



学校全体にチャイムが鳴り響く。
昼食の時間が終わったという合図。
俺とヒカルは食べかけだった焼きそばパンを急いで口に含み、教室に戻る。
すると急に教室の手前でヒカルに腕を掴まれた。俺は何だ?と思い、振り返る。


『ん?』


『なぁ、雅?』


真剣な瞳を俺に向けるヒカル。
たちまちそんなヒカルの瞳に吸い込まれていく気がした。
あまり見せたことのないヒカルの真剣な顔。
俺はごくんと生唾を呑む。


『どうした?』


『俺にはまだやらなきゃいけねぇことがある。それが終わったら…さくらに気持ち言うから』



やらなきゃいけないこと?
それは何だろう?と思ったが、あまり気にも止めなかった。
それより、さくらに気持ちを言うという行動の方が嬉しかったから。

俺は満面な笑みをヒカルに向ける。


『そっか!言えるといいな!ちゃんと教えろよ!』