「…相談、か…」
私は仁の子供が出来て
本当に嬉しいから生みたい。
辛いだろうけど
頑張って育てていく自信はある
…でも仁は?
仁に高校を中退してなんて言えないし
自分のしたいことしないで
私や子供に気を使って欲しくない
きっと…仁にストレスが溜まって
仁が壊れちゃうと思う…
「そんなの…絶対イヤ…」
仁は仁らしく、
私なんかに左右されずに
生きていってほしい
仁にはもっと可愛い子が似合うだろうし、
なにより…
『美鈴なんかと付き合わなきゃよかった』
なんて仁に言われたら
私、死んじゃうかも…
「…私、別れることもできるのかなぁ…」
ポツリと呟いた言葉は
薄暗くなっていた室内に
溶け出すように消えていった