でもそんな光景が、ちょっぴり嬉しかったりする。




「アイツ無視して行こっ!」


『あー。そだな』


アタシは正の服の裾を引っ張って、無理やり教室から出た。



しかし、

廊下に居た男子にも冷やかされる。



『ラブラブ♪♪』

『黙れっつってんだろハゲ』



正はその男子にそう吐き捨ててると、

開き直ったようにアタシと手を繋いだ。



沸き起こる歓声の中、アタシはほぼ放心状態で引っ張られるまま学校を出た。








――――



『ふー…ここなら誰も来ねぇだろ』



しばらく2人で走り、気づくとアタシたちの周りには誰も居なかった。



「な…なんかさ、まじウザイよねあいつら」


アタシは笑いながらそう言ってみたけど、心の中はそれどころじゃない。


正と繋がった手が熱くなる…


心臓がバクバクと高鳴っていた。