けど、すでに“何か”が変わり始めていたことは、誰も知らなかった。




『明日香ー帰るぞ!』


「うん、ちょっと待って〜」




あれからアタシと正は正々堂々と一緒に帰ったりするようになり、



誰もが羨む仲良しカップルだった。


アタシは、教室の外からこちらを見ている正を尻目に
大慌てで支度する。



『別にそう急ぐことねーぞ』



「だって待たせるのって嫌なんだもん!!」




アタシは小走りで正のもとに向かう。



その様子を観察していたクラスの男子が、「ヒュー♪」と口笛を鳴らした。



『さっすが仲良しだねぇ』



『黙れ』



ニヤニヤしながら冷やかす彼に、

正は照れながらむかついてる。



.