『まぁ‥アイツも‥アイツなりに‥』



正はすごく小さい声で何かを呟いた。


聞き取れなかったアタシは、立ち止まって正を見つめる。




「‥え??」



『いや、別になんでもねぇ』



正はそんなアタシに微笑み、

頭をくしゃくしゃと撫でた。



「‥どうしたの??」


『え?別にどうもしねぇけど?』




何だかよく分からないけど‥



正の手は微妙に震えている気がしたんだ。



もしかしたらそのとき、正も嫌な予感に気付いていたのかな……?




『とにかく、急ごうぜ!!何気に時間ヤバくね!?』


「あッ!!本当だぁ!!」




バタバタと2人で商店街の間を走る…



『うぉ、水たまり!!』

「やばいって時間ない!!」



なぜか楽しくて笑顔がこぼれる。







―ねぇ正‥‥



この幸せが、


この平和が、




ずっと続いていたら





そのほうが、



素敵な人生になったのかなぁ。




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