必要な物を買って、お店を出てもなお笑い続ける亮先輩。

 恥ずかしすぎる!

「笑いすぎです……」
「やっぱおもしれー!」

 結局、私はお菓子を買わずにお会計。……買えばよかったかなぁー。

「お前ん家こっちなのか?」
「あ、はい。亮先輩もですか?」

 ああ。と頷くと、横の道へ歩いて行ってしまった。
 待ってた方がいいのかなぁ……?
 考えてるうちに亮先輩は戻って来て、さっきまで持ってなかった缶ジュースを私に渡すと、その手で私が持っていた買い物袋を亮先輩が持った。

「いいですよ!持てますから……。」
「笑いすぎた詫びで……」

 そう言って缶ジュースを指差して、買い物袋を上に持ち上げた。
「こっちが買いそびれた詫び」

 そして歩き出した。優しい先輩ばっかりで良かったって思う。

「ありがとうございます!」

 頭を下げてお礼を言うと、亮先輩の隣へ走って行って隣を歩く。

「そういえば今日、陸先輩が家に来てるんです」
 私が何となく言うと、陸先輩が足を止めた。

「お前……こんなにのんびりしてていいのか!?」
「な、何がですか?」

 凄い剣幕に圧倒。恐いというより、圧倒される感じ。顔は少し恐いけど。

「あいつ……人の部屋荒らすぞ!?」
「だ、大丈夫です。お兄ちゃんいるし……さっき私が居るときに来ましたから」

 亮先輩は、眉間にシワを寄せたまま、歩き出した。
 陸先輩に荒らされた経験者なのかな……。