私……陸先輩苦手かも。

 来たかと思ったら、ただ座ってるだけなんだよ!?
 部屋うろうろされるよりいいけど……ただ座って見られてるのも嫌だな……。

「あの〜お兄ちゃんが探してるんじゃないですか?」
「大丈夫大丈夫」

 ニコニコと満面の笑み。
 陸先輩が大丈夫でも……私が大丈夫じゃないんです!

「蓮音ちゃんってやっぱりカワイイね」
「え?……可愛いくなんてないですよ!」

 突然何を言い出すんだろ、この先輩は!

「カワイイカワイイ」

 頭をなでながらカワイイを連呼。
 ……動物が可愛いと同じ感じだよね……。

「家に欲しいくらい」
「はい!?」

 そう言ったと思ったら、私の腕を掴んだ。逃げようとしたわけじゃないのに!
 全然動いてないのに!

「家に来ない?」
「あ……遊びに、ですか?」

 何でもいいから……離してほしいなぁ……。

「遊びに来たいの?いつでも来ていいよ」

 遊びに来いって言ったんじゃないの!?不思議すぎる。
「じゃあ……お兄ちゃんと行きますね」

 多分、私の顔ひきつってる。陸先輩の手を離させようと手を引っ込めてみるけど……離してくれない。

「1人でもいいよ。ま、一人で来たら一生家から出さないけど」
 陸先輩の顔がダークに見えて、手をまた引っ込めようとしたら、あっさり離れた。
「うーそだよ♪」

 ……からかわれた?