「……あ、今のうちに勉強しとかなきゃ!」

 お母さん達の部屋を出て部屋の前に来ると、なんだか分からないけど気が抜けて座り込んだ。

 今お兄ちゃんに来てほしくないなぁ……。
 早く部屋の中に入らないといけないって分かってはいても……動きたくない。

 頭使いすぎたっていうか……なんか……消失感?
 違うよね……。

「何やってるの?」
「え!?い……陸先輩……」

 びっくりしたぁ〜。
 一瞬、お兄ちゃんかと思った。

「何やってるの?」
「あ、いえ……なんでもないですよ!」

 慌てて立ち上がると、部屋のドアを開けた。
「何か聞いちゃったとか?」

 どうしてこうも鋭いんだろ?その鋭さ分けてほしいよ。

「本当に何でもないんです!ゆっくりしていって下さい!」
 部屋に入ってドアを閉めようとしたら、陸先輩がドアを開けて中に入って来た。

「おじゃましまーす☆」
「え、あの……」

 部屋を見渡す陸先輩。
 あ!日記……カバンに入れたよね。

「可愛い部屋だね」

 机の中物色しそうな気がするのは私だけ!?


「あの!……お兄ちゃんは?」
「勉強しててかまってくれないんだよね」

 お兄ちゃん……友だちが来てる時も勉強するの?
 フツーしないよ!2人で勉強するならともかく!

「というわけで、遊びに来たよ」

 陸先輩……勉強しなくていいのかな?