私たちがそうじゃなくなるのはどうなったらなんだろう?
 どっちかが結婚したらなのかな?
 もっと早い気もする……。

 どっちかに彼氏か彼女が出来たら……?
 違う……関係ないと思う。

 いつか……私が何かに気付いてしまったら……。
 自分の気持ちの何かに。

 その何かが何かはまだ分かんないけど……私の奥深くに有る何か分からないくらい小さい気持ちが育ったら……。
 無意識の内に大きくしないように……気付かないようにしてる何か。

「分からないけど……」
 私がまだ知らない気持ち。

「何が?そうだ……これ、持っときなさい」

 お母さんがお兄ちゃんと親の写真を私に差し出す。
「私が持つの!?私が持っても……」

 そう言いながらも受け取る私。
 正直……ちょっとだけほっとしたんだ。お兄ちゃんが本当の子どもじゃないって聞いて。
 ほっとした私がイヤだ。
 でも……ほっとしちゃうよ……。

 お母さんも気付いたんだろうなぁ。
 私が少し安堵したのに。
 血は繋がって無くても、お母さん達は区別はしない。
 お兄ちゃんの過去を他人事で済まさずに、共有しろって言ってるんだ……。


 お母さんに渡された写真が重い。
 お兄ちゃんの過去が凝縮してるものだから。