「ただいま
お茶を飲みに階段を下りてたら、お母さんが帰ってきた。

「お帰りなさい……あれ?遊びに行ったんじゃなかったの?」
「友達に急用ができたのよ」

 あ、聞こうかな……でも……。
 お兄ちゃん来ないだろうし、聞いちゃお。

 とりあえずリビングに入ってお母さんにコーヒーをいれてあげた。
「あのさ、私とお兄ちゃんのどっちがお母さんたちの子どもなの?」

 私が聞くと、てっきりお母さんは驚いたりためらったりすると思ってたのに、普通。
「そうねぇ……どっちだと思う?」
「え!?うーん……」

 聞かれても……分からないし、答えにくい。
 質問で返すなんて……お母さんらしい。

「何かあったの?」
「お兄ちゃんのアルバムのお母さんたちとの写真が無かったの」

 すると、お母さんが立ち上がった。
「ちょっと来て」

 そう言って私を手招きすると、2階へ上がって行く。
 お兄ちゃんのとこ行くわけ無いし……分からないけど。

 お兄ちゃんは知ってるのかな?頭の回転の早いお兄ちゃんのことだから……知ってるよね。

 聞いた時にそこまで聞いてるはず。
 私は……ビックリしすぎて聞けなかったけどさ。

 お兄ちゃんもビックリしたのかなぁ……するよね。
 そういえば……いつ聞いたんだろ?

 私より早いよね……たぶん。