コーヒーとお茶のカップとクッキーをおぼんに乗せて運ぼうとしたら、お兄ちゃんにとられた。
 私の考えが!

「陸がメリを見たいらしいから連れてこいよ」
 さっさと2階に上がっていくお兄ちゃん。
 ……私が転ぶとでも思ったのかな……。そんなにおっちょこちょいじゃないんだけど。

「……まぁいっか。メリ〜♪」

 リビングの端の囲いの中からメリを出すと、私も2階に向かう。
「キャンキャン」

 あーもう、かわいいなぁ。
 家のアイドルだ♪

「お兄ちゃ〜ん」
 ドアをノックしながら言って、開けた。……そういえば、お兄ちゃんの部屋汚くなかったよね?
 なんでも出来るお兄ちゃんが掃除が苦手って……おもしろいよね。
 キレイ好き過ぎてもうるさそうだから……これがちょうどいいのかも。

「蓮音ちゃんこんにちわ」
「……こんにちは、陸先輩」

 部屋……散らかってる。

 私の異変に気付いたのか、お兄ちゃんは私からメリを受け取り、陸先輩に。

「陸に荒らされたんだ」
 多分そうなんだと思う。

 陸先輩のトコにアルバムが置いてあるし、お兄ちゃんも言ってたしね。