何となくしゃべれなくて黙ったまま歩いていると、亮先輩が止まって､また私はぶつかった。

「お前よくぶつかるなぁ」
「スミマセン……」

　いつの間にか生徒会室の前まで来てたらしい。

「先入っていいぞ」
「え？あ､はい」

　何か引っかかるなぁ……普通先輩が先に入るもんじゃないの？
　廊下にずっと立ってるわけにもいかないし……たぶんもうみんな集まってるだろうし……。

　とりあえず､ノックをして深呼吸の間をおいてドアを開けようとドアノブに手を伸ばした。

　掴んで回そうとしたら……いきなりドアが開いて私のおでこを直撃。

　二度有ることは三度有るを痛感した私。

「おい！大丈夫か？」

　よろめく私を支えながら心配してくれる亮先輩。
　やっぱり優しい人だ……！


「あれ？蓮音ちゃんじゃん」
「あら？私ったらうっかり……大丈夫ですの！？」

　亮先輩に支えられながら生徒会室に入って、イスに座った。


「何やってんだよ！？」
「てっきり亮かと思ったのよ！あなたこそなぜ先に入ってこなかったんですの！？」


　ギャーギャー言い争う亮先輩と梨子先輩。

　すごい迫力……。