「出席日数が足りない。だぞ?」

 案外フツーだ。もっと違うのかと思った。
 それって……退学なの?留年じゃなくて……?
「病気とか正当な理由じゃないと留年させてくれねぇんだ。……したいとも思わねーし」

 こんな学校だったんだ……でも、なかなか留年になる人はいないらしい。

「出席日数って……自分で数えて確認したんですか?」
 出席日数はなぜか生徒には知らされないようになっている。おかしいよね……。

 どうやってそれが嘘だって気付いたのか疑問に思って聞いてみると、亮先輩がため息をついた。

「一気に何人も退学になるなんておかしいだろ?それで会長が疑問に思って調べたら……余裕で足りてらしい」
 この学校に頭が悪いヤツいないしな。と笑う亮先輩。

 そうだよね……テストで赤点取る人なかなかいないらしいし。

「で、俺がムカついて抗議に行った時にちょうど鬼田と会長と副会長が来たんだ」
「鬼田先生も……?」
 少し驚きだ。鬼田先生が……いい先生なんだ……。
 分からないこともないけどね。本能的に。よく分からないけど……。