「お前らになんて分けねーよ」

 亮先輩が言うと、2人は怪しげに笑ったが、すぐにどこかへ行った。
 お兄ちゃんの妹だから。って……なんで?
 やっぱ……お兄ちゃん崇拝されてる……?



「あいつら……退学させられそうだったんだ」

 私が何を考えてるのを察知してか、亮先輩は唐突につぶやいた。

「退学?」
「あんなナリしてるだろ?誤解されまくってんだよ。金盗んだとか、学校を壊したとかな」
「……ホントは違うんですよね」

 その質問に亮先輩は曖昧な返事をした。
 少しはやった事があるってこと?

「ヤンキーっぽい奴の内の1人のせいで何もやってない奴らまであんなナリしてるから疑われて、退学させられそうになったんだ。てか、まぁ……自主だけどな」


 悪そうな格好をしてるから、悪いって訳じゃ無いのに……疑うなんてヒドい。

 何をしたんだろう?

「なにをしたんですか?」
 亮先輩は私の顔を一瞥してから、頭をかいた。困ったように。

「……まぁ、アレだ。良くないコトをな」
「良くないコト……」

 何だろ?
 物壊したとか……お金を盗ったとか?退学をすすめられるなんて……なかなか無いよね。