ドア開けようと力を込め、やっぱり止めようと手を離した瞬間なドアが開いて出てきた人にぶつかった。

「……」
「……」

 恐る恐る上を見上げると、金髪で目つきの悪い人と目があった。 ……ニラまれてる?

「……ご……す……すみません!ほんっとにすみません!」
 少し後ろへ下がりながら頭を下げまくる私。

 ヤバい、ぜったいヤバい!
 どうするわたしぃー!

「会長の妹?」
「へ?え、あ、はい」
 まさかこんな言葉が返ってくると思わなくて、少し拍子抜け。

「つーか恐がりすぎ」
「誰でもこわが……」
 私のうっかり者!思わず本音言っちゃったじゃん!
「え……えーと、私、今いろいろアレで……人間不信?じゃなくて……」

 自分でも何言ってるか分からなくなってきた。

「そんな恐がらなくても大丈夫だっつーの。会長の妹だし」
「あ、はい……」
 お兄ちゃんの妹だから……お兄ちゃん崇拝者?
 とにかく、悪い人ではないみたい。

「何しに来たわけ?」
「梨子先輩につれてきてって……」
「サボるとでも思ったのか?アイツ」

 舌打ちされると恐い!

「ま、いいか。行くぞ」
 私は頷くと、少し離れた後ろを歩いた。