その人は私の前まで来ると、私をジロジロ見てきた。

「ふーん……なかなかね」

 何だろうこの人。

「生徒会室行くのでしょう?わたしもご一緒させてもらってもいいかしら?」

 そう言うと、歩きだした。

「もしかして、姫っすか?」

 明君が言うと、その人は明君をにらみつけた。
 こ……こわいよ。

「もしかして……あの変態男の弟ね!?」
「そうでーす」
「あの男……変なあだ名付けて……」

 姫って呼ばれるのが好ましくないらしい。……言わなくて良かった。
 でも……姫っぽい。

「私は2年の七瀬梨子(ななせりこ)って名前があるのよ!?」

 梨子先輩はさすが身内ね…とブツブツ言いながら歩いてる。

「あのー梨子先輩は生徒会の人ですよね?」
「ええ。会計よ」

 会計……とりあえず、ビューティーと姫と不良の中の姫とは会えたみたい。
 役員って……顔で選ばれてるんじゃない?やっぱ。
 私は例外だけどっ。

「あっ」
「どうしたんですか?梨子先輩」
「亮を忘れてきたわ……でも早くこれを届けなきゃならないし……でも連れてかないとサボるわよね……」

 亮……?連れてくってことは、役員だよね。……サボるって……不良の方?