「おまえの方がこわいさ」
「俺コワくないし」

 腹の底ではどう思っているのやら。

「うわー飛夜……信じてくれないのねっ!」
 疑いの眼差しを向けていると、陸が泣き真似。
「気持ち悪い!」
「大丈夫じょぶじょぶ。飛夜にウソはつかないって。多分」

 笑いながら言う陸。
 何回もついてるだろーが……。重大なことで嘘つかれたことは無いけど……。

「なぁ……飛夜。お前は俺の初めての信じれるヤツだから」
「俺はお前を信じるのは無理だ」
「つめたっ!俺寂しいと死ぬ」

 本当は頼りにしている。性格はおかしくても、陸は俺を裏切ることはない。
 ただの感だけじゃない。
 陸が裏切るとしたら……陸が何かに狂った時位だろう。

「うさぎじゃないだろ……」
「今の俺、まさしくウサギ!蓮音ちゃんになぐさめてもーらお♪」

 とUターンする陸。

「戻るな!」
「ヤキモチー?」

 ニヤニヤ笑う陸。
 こいつ……痛いとこをつく名人か!?

「ウソだって」
「半分本気だったろ?」

 ん?ととぼける陸。
 最近、色々否定するのも疲れてきた。

 陸ペースは慣れるまで相当時間がかかる。