「見せびらかすなぁ?」
「なにを?」

 陸が嫌な笑みをこぼす。
「まだ大丈夫だけどな」
「何が」

 時々意味不明なことを言う。
「ま、お任せクダサイ☆」
「なにを!?」

 ヒ・ミ・ツ(ハート)な感じで言われても……。男がやるな!
 別に女にやって欲しいわけでも……。

「蓮音ちゃん色々大変だろーね」
「……何が言いたいんだ?」

 ……知っているさ。中学の時に色々あったって。虐められたって……。

 俺は何もできなかった。
 側に居てやることができない。霞理に蓮音に近付くな、って言われて……そこで初めて俺が原因だって知った……。

 辛い思いはさせたくなかった。
 でも、何をしたらいいのか本気で分からなくて悩んだ。

 側に居てやる事が出来ないなら……虐めた奴をどうにかするしかない。


「飛夜ってさぁ…時々ざんこくだよな」
「は?残酷……?」

「蓮音ちゃんをイジメた子たちもかわいそうに」

 泣き真似をする陸。
 ……蓮音が昔虐められてたって知らないはずがないよな。
 気に入った奴はどこまでも調べ尽くす奴だから……。