「二……」

 ど……どうする!?
 急かされると余計に何も言えなくなる私。

「一……」

 満面の笑みで死へのカウントをするお兄ちゃん。悪魔だ……!

「ゼロ……」

 その瞬間、プレス。

「むーっ!」

「言わないと酷い顔になるぞ」
 やめてー!
 というか……元からヒドいけど。
 どーせ、お兄ちゃんと違ってさ。性別は違っても、私とお兄ちゃんは比べられるんだ……!
 ……たぶん。

 そういえば、比べられたことあったっけ?

「早く言え」

 ちょっと力を強めるお兄ちゃん。

「イジメだよーっ!」

 妹イジメだ!ヒドい!
 こんな性格だなんてみんな知らないはずだ。

「優等生のくせにー!」
「関係ない」

 横目で教室を見ると、クラスの人達が私達を見てる。
 お兄ちゃんの本性をみんながっ!と思ったら、みんな目を背けた。
 何で……?

「……優等生じゃないって否定しないんだ」
「あー優等生にしているつもりはない」

 つもりはないんだ……。
 みんなにしたらどうなんだろ?少なくとも家の近所の人はお兄ちゃんを優等生って思ってるよね。