あの二人は義理と言えど兄妹。飛夜のキモチは分かってるけど……蓮音ちゃんの方はどうだろう?

「あの二人手繋いでんじゃん」
 校門で明と二人で親待ちしてると、飛夜と蓮音ちゃんが手を繋いで走ってた。
「あ、ホントだ。明日これでからかうか☆」
 優等生なヤツをカラカうの面白いんだよなー。あいつは優等生とちょっと違うか。

「兄貴、何だっけ……久原紅……だっけ?」
「あの古風な感じな子?」
 あの子も可愛いかった。でも、なんていうか……危なげな雰囲気だったんだよなぁ。
 絶対裏あり。
 俺も人のこと言えないけど。

「明……もしかして好みのタイプ〜?」
「ちげー。裏有りそうなヤツ嫌だしー」

 自分に裏が有る分な。って付け足してやったり。
 俺たち兄弟の宿命ってやつ?親父にも裏有るし。

「あの二人を凝視してんだけど?」
「……調べてみる必要があるな」
「久原紅を蓮音に近付けるな」

 振り返ると、クールビューティー凜歌ちゃん。
 やっぱりこの子も勘が鋭い。
「大丈夫だよな、明☆」
「ああ」

 そう言うと、凜歌ちゃんは帰ろうとした。
「何か分かったら言うよ」

 凜歌ちゃんは俺の顔を一瞥すると、何も言わず去っていく。

 今年は一段と楽しい一年になりそうだ。