「何やってんだ?」
 生徒会室に私が来て十五分くらい経ってからお兄ちゃんがやってきた。
「あ、お兄ちゃん」
「遅かったな〜」
「どうも〜」

 何故か明君まで参加してたり。帰ってなかったみたい。

「……蓮音、母さんたちが待ってるだろ?」
 あっさりした顔してるけど……ちょいギレしてそう。雰囲気的にね。

「あ、そうだよね。じゃあ……ありがとうございました!」
「また何かあったらいつでも聞くよ」
「またな〜蓮音」

 いつの間にか明君に蓮音って呼ばれるようになってた。
 下の名前で呼ばれる方が親しい感じがして嬉しいよね。

「蓮音」
「ん〜?なに〜……!」

 お兄ちゃんが……笑ってるよ!眩しい笑顔!
 つまり……怒ってるよね……。

「あいつらに何話したんだ?」
「えーっと……あ!生徒会について!」
「陸が話すとは思えない」

 お兄ちゃんって何でも分かってるよね……。確かに陸先輩は話しそうにもないけど。

 本当のこと言わないと……後から恐そうだけど、言えない。
 禁句を言わなきゃいけなくなるから。
 気まずくなる。

「……お兄ちゃんの悪口をちょっと」
 これなら言える。禁句よりはまし。恐いけど……。
「そうか」
 意外とあっさりして、悪口って言ったのに怒らない。

 分かってるのかも。何を話してたか。
 お兄ちゃんは勘が鋭いから。