私たちのことをお兄ちゃんが陸先輩に話したのかな……?
 でも、お兄ちゃんはたとえ親友でも話さないと思う。

 そういう人だから。自分のことをあまり他人に言わない人だもん。

 何でも自分一人でやろうとする。まぁ、できるところがすごいよね。

 私だったら助けてもらう。
 私は誰かいないと生きてけないタイプ。
 お兄ちゃんは誰もいなくても一通り一人で何でもできる。

 私と同じ人間なんて思えない程パーフェクト。
 でも……えらくなる時だってあるはず。
 そんな時、お兄ちゃんはどうしてるかなんて今まで考えもしなかった。

 知るのがこわい。お兄ちゃんの中の闇に触れるなんて……できない。直感的にそう感じた。

「蓮音ちゃん?」
「はい!?」

 ぼーっとし過ぎてたみたい。
「ここが生徒会室」
 陸先輩はそう言いながらドアを開けた。
 未知の場所に行くときって凄く緊張する。

「どうぞ。入って入って」
「失礼しますっ」

 中に入ると……私の何かが変わりそうで少しこわかったんだ。