「蓮音……」
 自分の机に戻ると、凜歌が身支度を終えて立ってた。
「ちょっと私用事があるんだ」
「何か言われた?さっき様子がおかしかった」

 さっきって……明君に言われた時だよね……。
 確かにおかしい顔してたかも。……元からおかしいってお兄ちゃんにツッコまれそう。
「……大丈夫だよ!じゃ、電話でね」
 凜歌は義理の兄妹だって知ってる数少ない人の内の一人。
 だから……電話で相談してみなきゃ。凜歌に隠し事はしたくないからね。
 失いたく無い人の内の一人だもん。

「もし何かされそうになったら……電話」
「ありがと、凜歌!またねー」

 手を振ると、廊下に向かった。
 やっぱ凜歌は優しい。

「お待たせしま……あれ?」
 陸先輩がいなくなってる。さっきまで居たのに。

「バイバーイ☆」
 声のした方を見ると、笑顔で女の子に手を振ってる陸先輩。
 女好きなのかなぁ……?
 お兄ちゃんがあんな風だったらどうだろ?……嫌かも。

「蓮音ちゃん、おかえり。行こっか」
 生徒会室行くのはいいけど……お兄ちゃんいないの?

「あの……お兄ちゃんは?」
「飛夜は担任に呼ばれてて、まだ来てないはずだから」

 陸先輩……なにを聞きたいか分かってるんだ……。