「……陸、弟の教育どうなってるんだ?」
「よくやった!飛夜の眉間にしわを寄せるなんてなかなかできないぞ」
「そうだわ。会長が眉間にしわを寄せるのは図星指された時だけだし」

 そうなの!?図星指された時だったんだ……。私の方が一緒にいる時間が長いのに、知らなかった……。
 なんかもやもやする。

「蓮音……何、不機嫌な顔してるんだ?」
 お兄ちゃんが近づいてきて私のほっぺたを引っ張った。
「してないもん」
「嘘つけ。何年一緒にいると思ってるんだ?」
 お兄ちゃんはすぐに私の気持ちに気づいてくれる。寂しい時は側にいてくれた。
 でも……私には分からないんだ。お兄ちゃんの気持ち。たぶん永遠の謎。

「さて、決まったことだし、戻ろうぜ」
「そうね。蓮音ちゃん、またね」
「蓮音、これ以上バカな行動はするなよ」
 失礼なっ!あれ?まって……?
「私生徒会役員イヤだよ!」
 叫んだのもむなしく、その頃にはお兄ちゃん率いる生徒会の人たちは行った後。

「如月、これからよろしくな」
「よ……よろしくぅうぅっ……」
 泣きたくなってきた。もう泣いてるけど。