誰のせい?これ誰のせい!?うん、分かってる。私がバカなせい。

「飛夜、この際だから蓮音ちゃんにしよーぜ」
「……分かったよ」
 ため息混じりにお兄ちゃんがうなずいた。私の知らない内に変なことになってない?
「一年何人いるっけー?」
「二、三人よね」
「生徒会役員が女子ばっかはダメだぞ」
 ちょっと待って……私、生徒会入らなきゃいけないの!?本気!?

「ちょ……ちょっむぐっ」
 抗議をしようとしたら、後ろから誰かに口をふさがれた。
「はいはーい!オレやりたーい」
 私の口をふさいだ人が立候補。すぐ手を外してくれたけど……何でふさいだの?

「明(めい)立候補するのおそっ」
「寝てた寝てた」
 人懐っこい笑み。だれ?何か……どことなく陸先輩に似てるけど。

「お前が二人になるなんて迷惑だ」
 あ、陸先輩の弟さんかな。どことなく外見も似てるし。髪をツンツンに立てててちょっとやんちゃな感じ。

「もしかして先輩、ヤキモチっすかー?」
「意味わか……」
 陸先輩の弟(?)がお兄ちゃんの耳元で何か言うと、お兄ちゃんが眉間にしわを寄せた。
 お兄ちゃんがしわを寄せるなんて珍しい。