「蓮音はダメだ」
 お兄ちゃんのこの声で我に返った私。
「なんで?」
 私も気になる。……何をかは分からないけど。
「蓮音は……バカだから」

 あーバカだからかぁ。バカってツラいよね……って…!
「酷い!」
「バカな子ほど可愛いって言うよな〜♪」

 バカって……いくら本当のことだからって……って、陸先輩、近いんですけど。肩組んでるのはなぜ!?

「蓮音」
 ようやく凜歌ちゃんの登場。遅いよ!
「馬鹿がウツる」

 先輩を馬鹿呼ばわりしたあげく、陸先輩を突き飛ばすようにして私を救出。
 私……元々バカだからウツリはしないと思う。

「馬鹿かぁ〜まぁ、馬鹿だけど……馬鹿って漢字くらいは分かる」
 って言って黒板に書いた字は……馬慶。えっ……こんな字だっけ?私の覚え間違い?
「陸……鹿だろ、シカ」
「あーそんな気もする。まぁ、気にすんな♪」
 陸先輩にツッコみながらもお兄ちゃんは私を見てる。
「蓮音……?」
 スマイル!満面の笑み。もちろん分かってんだろ?って言ってマスヨネ?目が言ってますよ!?