義兄に迷惑をかけられ続けて早十五年。私は話を聞いてなかったせいでまた義兄に迷惑をかけられる道を選んだ。

『蓮音(れんね)、行く高校はもちろん飛夜(ひや)と同じ嵯頼(さらい)高校よね?』
 その時、私はテレビに熱中していて話を聞いて無かった。
『そうだねー』

 その後、夏休み明けの三者懇談で母が先生に嵯頼高校に私が行きたいって言っていたと言って……先生と母がすっごい乗り気で嫌と言えなかった。
 何がなんだかよくわかって無かったっていうのもあるかも。
 でも、親友の霞理凜歌(かりりんか)がその学校を志望していたのが唯一の救い。

 嵯頼高校は結構な進学校で、義兄が行けたのは当然。
 私が行けたのは……偶然だと思う。
 実は行くのが嫌だ。どうせ……義兄と比べられたりするだけだもん。
 たぶん一学期の内は動物園のパンダ状態だし。

 不平不満をぶちまけてみたけど……義兄のことは嫌いじゃない。
 からかってくるからちょっとムカつくけど!