「蓮音」

 何だか驚いて後ろを向くと、幼稚園からずっと一緒の親友の霞理凜歌がいた。
「凜歌!」
 私は凜歌に会えた喜びとこのピンチに来てくれた喜びとで凜歌に抱きついた。

「蓮音……暑苦しい」
「会いたかった〜」

「霞理、久しぶりだな」

 お兄ちゃんが言うと、凜歌はちらっと見てからどうもと小さく言った。

「うわ!この可愛い娘だれ!?」
 何か……ギャップが激しい。ある意味スゴイ。

「お兄ちゃん、あの人誰?」
「日喃陸(ひなんりく)って言って、同じクラスのヤツだ」

 へ〜。うん、何となくお兄ちゃんと合いそう。お兄ちゃん、真面目に見えて真面目じゃないトコあるから……。
 最近思うんだけど……ちょっとナルシスト入ってるよね。

「今何考えた?」
「へ!な、なんにも?」
「俺がカッコイいとでも思ったんだろ」
「やっぱりナルシ……」

 やばい!

「家帰ったら覚えてろよ?」
 その眩しいくらいの笑顔がコワいよ!また家でこき使われるの!?