校舎を出ると、辺りは薄暗くなってきていた。
「独りで帰ると、危ねぇから。」
涼雅は呟くように言って、それとなくあたしの左側に移動した。
あ…あれ?
もしかして……
車道側歩かせないようにしてくれてる?
無言のままの涼雅の横顔を見つめた。
「…なに見てんだよ」
あれ?
なんか照れてる?
「べっつにー?」
なんだか勝ち誇ったような気持ちで涼雅に笑いかける。
「うぅわ、気持ちわりぃ」
「なにそれ!ムカつく!!」
あたしたちはたわいない会話をしながら、人通りの少ない通学路を並んで歩いた。
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