席についた途端、何人かの声がしてきた


いつもより早く着いたのに今日に限って殆んどの生徒が来ていた


「一緒に来てたけど、どうなってんの?」


「この前、藤村くんが森下さんに声かけてたよね?」


「付き合ってんのかな?」


「藤村の奴…手が早いな」


「藤村のことだ!どうせ遊びだろ!」


私は気にせず窓から見える桜の蕾を見ていた


ガタン…


ん?


「あ…良平…おはよう…」


「ああ…」


良平は楓を見ないままそっけなく答えた


楓に自分の気持ちを話そうとしていたのに、皆がヒソヒソと話す声が耳に入り、良平は口も心も…閉ざしてしまった