「じゃ、俺、帰るわ」


「おう…サンキューな」


「…俺がいるのはお前のおかげなんだからさ…」


「昔のことだ…気にすんなよ」


真治は手を上げて良平の部屋から出て行った


真治は中学の時に不良から絡まれ、良平から助けてもらったことがあった


二人は幼なじみから、お互い何も言わなくても分かり合える親友になっていた



良平は窓から真治の後ろ姿を見送った


一度楓を突き放した…


楓はまた俺と帰ってくれるだろうか…


楓の側にいてやりたい…


側にいたいのは俺の方だ…


良平はやっと自分の気持ちを楓に伝える気になった