教室を巡る。
巡る。
巡る。
うちの学校は一階が三年、二階が二年、三階が一年になってる。
一階と二階は収穫なし。
ってことは・・・
「三階か!!」
階段を睨み付け、二段飛ばしで駆け上がる。
息切れ?してるに決まってるだろーが!!
ドアを開ける。
開ける。
開ける。
スパァンッ
引き戸が一番いい音を立てた、奥から二個目の部屋。
そこに、女が一人。 窓から空を見ていた。
ゆっくり入る。靴がない。
―――こいつか。
見つけた安心感と、やりとげた達成感に口が緩んだ。
そして頭を見てぎょっとする。
白っ!!
って・・・あれ?
よくよく見れば、チョークだ。
下の方、黒いもんな。
そこまで観察していると、やっとその子は俺を見た。
「誰ですか?」
「え?あ?え?えっと、俺、一個上の奴なんだけど。」
「先輩?先輩が、何の用?」
心底不思議そうに、彼女は首を傾げた。