「で?俺の何撮ったわけ?」

「オフショットー。何のためにご近所さんなのよぉ。」



いや、普通に偶然家が近いだけであって盗撮をするわけじゃないんだが。

はぁ、とため息をついて、目の前にある机の上に放置されたネガに手を伸ばす。

彼女の静止しようとする手より早くそれを奪い取り、

「没収。」と呟いて、ポケットにぐしゃりと押し込んだ。



「あぁ!!」



と泣きそうに彼女は顔を歪めた後、目がキッと俺を睨み付ける。



「何?」

「何?じゃないわよ!なにすんの、どうしてくれんの、返してよ!!」

「嫌に決まってんだろうが、バカ。」



むむむ・・・と俺を睨み付けるが、

涙目と上目遣いのせいで迫力はない。

むしろ可愛く見える俺はかなりバカだ。うん、俺の方がバカかも。



「それがないと、私死ぬ!!

売れるものがないと私死んじゃう!!

ネガを透かしながら“あぁ、あんなにもお札が見える・・・!!”っていうのが私の幸せなんだからぁ!!」

「やめろよ、アホ。」



うわぁぁぁん、と大げさに泣きまねを始める。

はぁ、とため息をついて俺はネガを渡した。



「ほら。コレ、何が見える?」

「え?札束じゃないの?」

「見てからほざけ。」



渡したネガ、勿論没収したやつじゃない。

えー、と顔を歪めながら透かしてる。

そして読めた瞬間、一気に目が見開かれた。