高谷さんは、先に帰るようだ。
さすがに、挨拶周りで相当回った。
そりゃ。疲れますよね・・・。


「私は先に失礼するよ。あとは、頼んだからな。」

もちろんですよ。任せてください。

『はい。高谷部長、お食事は・・・?』

とりあえず、聞いておかないと・・・。

「私は、妻が待っているからね。自宅で食べることにするよ。こういった食事は、少し苦手でね。」


周囲に聞こえないように、小声で話した。

そうだ。
高谷部長イタリアンが苦手だ。

残ったのは、私だけ。
じっくり、食事させていただきます。


テーブル各所に置かれている食事は定期的にシェフが取り替えている。

パスタも色々な種類が置いてあった。

お皿に、山盛りに乗せた。
パスタの山から、ピッツアが滑り落ちそうになっている。
少しづつ取りに行くのが面倒くさい。

若干周囲を気にしつつ。

近くの空いている席に腰を掛けた。


ここのお店・・・。
考えてみれば・・・。
都内、かなりの一等地。

繁華街から少し離れたところにある。
隠れ家的店。
さすが、有名人も多数来るお店らしい。

レストランウエディングには最適な雰囲気。
白を貴重にした洋風の建物。

見た目、めちゃめちゃ高そうだけどね。

集まった人の中には、画面で見かける人もチラホラ。
いわゆる、業界で働く人たち。
有名人もチラホラ。
家具のデザイナーとか。
イラストレーターとか。
シェフの人とか。
あと、有名人っぽい人・・・。

ミーハーな私。
内心かなり、ドキドキなんです。
でも、行動力ゼロなんで・・・。
見てるだけで精一杯・・・。