2人と別れた後も、気になって、何も頭に入らない状況だ・・・。

・・・・。

「そんでさ。って・・・聞いてる???」
潤也が不思議そうに顔をこちらに向けた。

『えっ、何・・・。』

ため息が聞こえた。気にしてるのがバレたらしい。

「さっきのは、俺の従兄弟。そんで、その奥さんは元彼女。ただ、それだけ。」

・・・・。

そうだったのか。・・・・・。

なんだか、妙に親しげな雰囲気と、目線を感じたから不思議だった。

「あいつは、ホテル経営。俺は、レストラン経営。ってことで、そりゃ。大手ホテルの社長婦人の格が高いからね。」

なるほど・・・。
潤也のレストランのオーナーよりも格が上ってこと?

「どう見ても。俺のほうがカッコイイでしょ?顔も、スタイルも、センスも、性格も。」

・・・。
うん。たしかに・・・。
博隆って人よりも、潤也の方が。

断然見た目もいいし。
年齢も若いし。
背も高いし・・・。

・・・・って私。
褒めすぎでしょ。

だめだ・・・。
完全に潤也に取り込まれてる。
平然を装うって結構大変なんだね・・・。
呆れた表情で答えるのがやっとだよ・・・。

『ってか普通、自分で言わないでしょ。まあ、センスと顔は認めるけどね。』

潤也、ニッコリが微笑んだ。
満面の笑み。
勝ち誇った?って感じ。
子供みたい。

かわいいんだよね。この表情・・・。

・・・・・。

潤也が、昔を思い出すように話始めた。

「すっごい好きでさ。遼子の為なら、なんでも出来るってくらい好きだったんだけど・・・。」

潤也、頬を赤くして照れている。


『でも?』


「うん。でも、あっさり振られて。あなたとは、結婚できないって。来月、博隆と結婚するって・・・。」


『え?なんで?付き合ってたんでしょ?』


「・・・うん。でも、気が変わったんだろうね。きっと・・・。」

いや違う・・・。

『それは、結婚を引き止めてほしかったんだよ。潤也に抱きしめてほしかったんじゃない?』

つい、言葉に熱が入ってしまった。まずい・・・。

『あっさり、諦めるなんてさ。しかも、カッコつけちゃってさ。バッカみたい。』

・・・・・。