カップルのうちの男性が声を掛けてきた。

「潤也。久しぶりじゃん。元気だったか?お店の調子はどうだ?」

潤也より、ちょっと年齢は年上っぽい。偉そうにしている。
しかも、言葉より態度がデカくてムカツクわね。

「まあまあだよ。博隆は、ホテルの方はどうだ?」

そんな事を気に掛ける様子もなく、淡々と潤也が話しかけた。

「潤也ほどじゃないけど。がんばってますよ。」

あっ、この人・・・。

めちゃめちゃ、ライバル心剥き出しだよ。
喧嘩、吹っかけてる。

まったく、気分悪い。
キライだ。こういう人。

そっと。
隣の女性が、潤也に話し掛けた。

『潤君。元気そうでよかった。』

ほっとしたように微笑みかける女性・・・。

だれ?何者?

・・・・・。ってさ・・・。

気になってる自分が情けない・・・。

でも・・・。

どこかで、見たような・・・?

会った事のあるような・・・?

・・・。


潤也は満面の愛想笑いを浮かべて、彼女に話しかけた。

「遼子、久しぶり。」

『お隣は、彼女?』

私のほうに視線が集中した。
3人が一斉にこっちを見た。

え?
私に話振られたの?
どうしょ?
・・・。

とその時。
潤也の片手が伸びてきて私の手を掴んだ。

「そう。一緒に住んでるんだ。」

『そうなの?よかった。・・・・・。』

・・・・・・。

よかった。・・・?

ってどういうこと。
遼子って人と付き合ってたの?

・・・・・。

案の定・・・。
2人と別れてから、私の頭の中は混乱状態。

《よかった・・・。》

頭の中を、グルグルその言葉が回っている。

気になる・・・・。
いったい。

どういう?関係?