そんなことが、頭の中をグルグル回ってしまって、食事が一向に進まない。

食べる気になれない・・・。


「どうしたの?食欲ないの?」

心配そうな表情の潤也。
なんて、やさしい子なんでしょう。
親心に似た感情になってる・・・。

心配してくれてるのね。
ちょっと、うれしいわ。

でも、ちょっとホント・・・。
具合悪いかも・・・。

頭がガンガンしてきたし・・・。
めまいしてきたし・・・。
お腹痛いかも・・・。

でも、心配させてもしょうがないしね。

『大丈夫。食欲ないだけだよ。』

と言って顔を上げた・・・。

・・・。

目の前に、潤也の顔がある。

《ガタン》

・・・・。

思わずビックっとした。
余裕なんて全然無い・・・。
椅子が、音を立てた。

そんなことは気にも留めず。
彼は、私のおでこに、手を当ててた。

「熱が・・・。」

潤也も熱が下がってないせいか、熱を手では測れない様子だ。
・・・。
おでこを近づけてくる・・・。

ちょっと・・・。

待って・・・。
妙に緊張しちゃうよでしょ。
35歳のいい大人ですけど・・・。
こういう事には、メッポウ弱くて・・・。
慣れてない・・・。

その瞬間。
潤也のおでこが触れた。
彼の熱は、昨日より大分良くなっているみたいだ。
おでこが、ひんやりしている。
気持ちがいいかも・・・。

・・・・・。

「熱。結構あるじゃん。」



『え・・・・・。』

そう?

熱?

ある?

この熱は風邪の熱。

それとも・・・。