やっとの思いで絞りだした言葉。
『な、なんですか?』

動揺。

思わず、声が上ずってしまった。



久しぶりに、後ろから抱きしめられた。
悪くないカモ・・・。

いやいや・・・。
そうじゃなくて・・・。


心臓に悪い。
不整脈。
動悸が治まらない。



彼、諭すような強めの口調だ。

「ちょっとそのまま。ちょっと黙って。」

体制を崩さない。むしろ、力が強くて身動きすら取れない状況。


・・・・・。

『あのぉ・・・。動けないんですけど。』


私、小声で応戦してみる。


「事情は後で説明するから。」


あっさり、言われた・・・。
まあ、いいですけど・・・・。

しかし・・・・・。
・・・。
いい香りがするよ。
若いかんじ・・・。

ちょっと、このままでいいかも。
久々に、ドキドキする。

・・・。

いやいや。
ダメだ。

弱っている自分は、完全に思考がおかしくなっている。
こうなると、末期症状。