2時間ほど喋りながら食事をしていたら、 男にとってはあっという間だったらしい。 「帰らないと」 ちょうど23時になった時 別れの宣告を切り出した。 さっさとジャケットを手にして、 外へ向かうわたし。 慌てて追う男。 さすがに会計を済ますまでは待つことにする。 上を見ると、さっきとは違った角度の空に、 輝く満月が浮かんでいた。