帰り道、腕時間は3時半を指している。

さっき、いつの間にか寝てしてしまった。

おかげで、電車に乗り遅れた。

仕方なく駅の待合室で電車を待つことにした。

あと、一時間弱。

中は狭いが、綺麗に掃除されていた。

2つあるベンチの片側には、若い男性が本を片手に腰を掛けている。

私がもう片方のベンチに腰を掛けると、ふとこちらに視線を向けた。

小さな声を発した。

「あっ。」

男性がこちらを向いて、会釈をしている。

だれだっけ?(今まで、こんなところで人と会ったことないのにな・・・。)

目を細め、顔を確認した。

少し、距離があるせいか、見ずらい。

「あっ、あの時の!」

乾燥機のリング。

あの時の、彼だった。